R&D TECHNOLOGIES

世界を変えるNTTの最先端通信テクノロジー

視野角を埋めつくすワイド映像が創り出す、新しいセーリング観戦体験 風と波を操る洋上の興奮を目の前で

R&D TECHNOLOGIES視野角を埋めつくすワイド映像が創り出す、新しいセーリング観戦体験風と波を操る
洋上の興奮を目の前で

新嶋莉奈
「潮の流れを読み、風をつかむ。セーリングの奥深さを伝えたい」

セーリングは洋上にある各マークをめざして、順位を争う競技。選手たちは限られた時間でコースを見極め、動力源となる風をつかみ、最速でマークを回るための戦略を立てて試合に挑みます。しかし、競技自体は沖合で行われるため、陸上から肉眼で見ることはできませんでした。

競技のスピード感や迫力をより間近に感じることができる、新たな観戦・応援スタイルはないのでしょうか。

NTTの最先端通信技術は、防波堤から双眼鏡等を使って観戦していたセーリング観戦を、目の前の洋上で見られる新たな観戦スタイルを実現。今までにない感動と興奮をお届けします。

報道発表については以下のページをご覧ください。
「TOKYO 2020 5G PROJECT」へ超高臨場感通信技術 Kirari! の技術協力を行い新たな観戦体験を再創造 ~セーリング競技の全日程で12K超ワイド合成映像を遠隔にライブ通信~

※本取り組みは、東京2020組織委員会が、インテル コーポレーション、日本電信電話株式会社、株式会社NTTドコモと協力し、東京2020競技大会において5Gテクノロジーを活かし、会場内における新たなスポーツ観戦体験の提供に向けたショーケースを実施するプロジェクトです。
リモートワールドを具現化する研究開発を進めるNTTは、東京2020組織委員会に賛同し、本取り組みに技術協力を行っています。

リアルを超える
革新的な観戦スタイルへのチャレンジ

「セール(帆)」が受ける風の揚力によって水の上を滑るように走らせ、その速さや技術を競うセーリング。洋上の熱き戦いをもっと身近に感じていただくため、5G通信サービスと超高臨場感通信技術「Kirari!」を用いて、横解像度12Kの超ワイド映像としてリアルタイムで合成し、全長50mにもおよぶ巨大な洋上ワイドビジョンに投影。これまで防波堤から双眼鏡を使って見るしかなかったセーリングを、まるで競技コース間近に停泊したクルーズ船から観戦しているようなリアル体験へと変えていきます。

Youtube - 【2020NTT】TOKYO 2020 5G PROJECT セーリング競技映像伝送

東京2020オリンピック競技大会 セーリング競技の会場となる神奈川県 江の島ヨットハーバーに加え、江ノ島から遠く離れた東京ビッグサイト(メインプレスセンター)にもセーリング競技の映像を伝送。世界中から訪れたメディア関係者にも、現地に近い臨場感と一体感を届けます。観客やスポーツファンが感動を共有することができる場と新しいスポーツ観戦スタイルを、NTTの最先端通信テクノロジーが可能にします。

人間の視野角を埋め尽くすテクノロジーすべては洋上の感動と興奮を届けるために
TECHNOLOGIES

人間の視野角を埋め尽くす通信テクノロジーすべては洋上の感動と興奮を届けるために

セーリングは陸から離れた洋上で行われることからも、その迫力を伝えるのが難しいとされてきました。しかし、NTTは洋上での興奮と感動を多くの人にお届けするため、いくつもの最先端通信技術を結集。複数の4Kカメラ映像をリアルタイムにつなげて合成することで、単一のカメラでは撮影できない高精細かつ高視野角のワイド映像を生成したり、映像や音声などの別々のデータを同期し、5Gを活用し伝送するなど、人間の視野角を埋め尽くす臨場感たっぷりのパワフルな映像を目の前の洋上にお届けします。

人間の視野角を埋め尽くすテクノロジーすべては洋上の感動と興奮を届けるために

INTERVIEW

「潮の流れを読み、風をつかむ。セーリングの奥深さを伝えたい」

新嶋莉奈 選手

種目:ウインドサーフィン iQ FOiL級
小学校1年生でウインドサーフィンを始め、中学校進学後は複数の国際大会に挑戦。14歳で挑んだ第2回ユースオリンピック競技大会(2014/南京)では最年少出場にも関わらず7位入賞。高校進学後にオリンピック正式種目のRS:X級に転向し、日本代表として出場した2017年のユース世界大会・ISAFユースワールドで6位入賞を果たす。現在はシニア選手として活躍。

潮の流れを読み、刻々と変わる風をつかみながらゴールをめざすセーリング競技。そんな白熱した攻防を会場の観客によりリアルに伝えるのが、NTTの超高臨場感通信技術「Kirari!」です。沖合いでのレースの模様を、江の島ヨットハーバーに浮かぶ巨大な洋上ワイドビジョンにリアルタイムで映し出す。この新たな観戦スタイルへの期待や可能性を、日本を代表する若きウインドサーファー新嶋莉奈選手に聞きました。

※インタビューは2021年6月に行ったものです

風を読み切って勝つのが、最高に気持ちいい
―この一年はコロナの影響で、試合が減ったり、練習も思い通り進まないといった苦労もあったのではないですか?

新嶋 私の場合は通っている大学がオンライン授業になったので、その分練習量が増やせました。ウインドサーフィンの練習は日中の風が吹くタイミングにしかできないんですが、オンラインになったおかげで、まず行き帰りの通学時間が削れました。あと、風のある宮古島で合宿をしながらでもリモートで授業を受けられたので、例年よりむしろ、ウインドサーフィンに集中することができたんです。

―学業との両立が効率よくできたんですね。

新嶋 ただ昨年11月までは大会そのものが開催されなくて、練習の充実度に対して、その成果を出せる場が少なかったです。海外遠征もできなかったので、国内で結果が出せても世界のライバルとの差がわからなかったのは、もどかしかく感じましたね。

―新嶋選手は鎌倉の海のそばで生まれ育ち、マリンスポーツは身近な存在だったと思います。実際にウインドサーフィンをはじめたのはいつ頃ですか?

新嶋 4歳でボードに乗りはじめているんですが、さすがに私の記憶にはなくて(笑)。小学校1年生でジュニアクラブに入った頃もまだ、友達に会うために海に出ていたような……それこそ「磯遊びの延長」みたいな感覚だったと思います。でも2年生のときに出場したジュニアの全国大会で優勝できたことと、逆に翌年ライバルの子に負けてしまったことをきっかけに火がついて、本格的にウインドサーフィンに取り組むようになった記憶があります。

―実家のウインドサーフショップを経営するお父様も、元プロ選手ですよね。小さな頃から指導は厳しかったのですか?

新嶋 小さいときは、そうでもなかったですね。ただ中学時代は厳しかったです。当時は高校受験に向けて勉強に本腰を入れたかったんですが、両親からは「塾なんてやめて練習しろ」といわれ続けて(笑)。もうそのときは思い切り反抗して、半年間ウインドサーフィンをやめて勉強してました。でも無事受験が終わって、高校生になってからは気持ちを切り替えましたね。それまでは父にやらされてるという感覚が若干あったんですが、ジュニアの道具からオリンピック種目である「RS:X」というボードに乗り替えたこともあり、東京2020オリンピックも視野に入れながら自分の意志で競技に打ち込むようになりました。

―海の上で巧みに風と潮の流れをつかんでゴールを目指すセーリング競技ですが、新嶋選手からみて、その魅力と勝敗をわけるポイントは何ですか?

新嶋 魅力はひとことでいうと「単純じゃない」ところ。いろんな要素が上手に噛み合わないと勝てなくて、やってもやってもそのたびに課題が出てきます。でも、選手にとってはそれこそが一番の醍醐味で、楽しい部分です。勝敗をわけるのは、やっぱりどれだけ風を読めるか。正しく読めないと、通過すべきポイントまで遠回りをしなければいけなくなったり、当然体力も奪われます。だから選手たちは足下の波だけではなく、陸地の山や雲の様子などにも意識を向けて、次に吹く風も緻密に予測しながら戦ってるんです。とにかく考えることがいっぱいで複雑なスポーツですが、その分、読みが当たって勝てたときは最高に気持ちがいいですね。

―ウインドサーフィンで勝つためには、何が一番重要な要素だと思われますか?

新嶋 「体重」がひとつのキーワードです。実は東京2020オリンピック以降、次のパリ2024オリンピックに向けてウインドサーフィンの公式艇が「RS:X」から「iQFOiL」という道具に変わるんですね。それに乗り替えて練習しているところなんですが、「iQFOiL」は体重が重い方が断然有利なんです。これまでの公式艇よりも弱い風でも簡単にスピードが出せる分、それを維持するためにボードの上でどっしりと“身体を固める”必要がある。だから私も、この一年で頑張って体重を8kgも増やしました。レースで勝つためとはいえ、ちょっと悲しいんですけど(笑)。

レースの迫力から選手個々の戦略までが、スクリーン越しに伝わるはず
―今回の東京2020オリンピックでは、NTTの「Kirari!」という通信技術を駆使することで、セーリング競技の見せ方、観戦の仕方が大きく変わり、沖で行われている熱戦がそのまま、目の前の巨大スクリーン上で展開されているような感覚で観戦できるようになります。

新嶋 これまでの現地観戦では、双眼鏡を使って遠くの沖のレース状況を見たり、選手が付けているGPSを元にネットで位置関係を把握していました。そもそもウインドサーフィンは、大きな国際大会をのぞいて観客がいないのも当たり前。だから迫力ある映像をその場で、リアルタイムで観てもらえるのはすごいことです。ワイドビジョンでレースの全体を映してもらえると、選手個々が違う読みと戦略でコース取りをしている様子など、この競技ならではの見どころもはっきり伝わると思います。
ゆくゆくは沖の方にもスクリーンを置いてもらって、選手に直接声援を送ってもらえるようになると、これまでにない後押しが感じられると思います。洋上でのレースというのは、とにかく孤独な戦いですからね。

インタビューの続きを読むkeyboard_arrow_down
―最後に、新嶋選手の今後の目標を聞かせてください。

新嶋 接触すれすれの激しい攻防やスピード感は、初めて観た方にもすぐ伝わるはずです。できれば「なぜ風の力で船が進むのか」という原理も軽く覚えていただけると、セーリングの奥深さやレースの面白さにもっとはまってもらえるんじゃないかなって思います。私自身の目標は、やっぱりパリ2024オリンピックに「iQFOiL」で出ること。その先はわからないですが、ロサンゼルス2028オリンピックまでは現役で頑張るつもりです。将来的には、普通に結婚してお母さんになることが夢なので(笑)、ゆくゆくは父のショップを引き継いで、ウインドサーフィンで世界をめざす子どもたちの育成もしてみたいですね。

新たな観戦スタイルを創る
スポーツの新たな観戦体験の一歩

5Gを活用した新たなスポーツ観戦は、競技会場と離れていても、現地ならではの臨場感と一体感を体験することができるこのプロジェクトは、NTTが描く「これからのリモートワールド」を具現化する大きな一歩となるでしょう。

OTHER R&D TECHNOLOGIES