POWER OF INNOVATION

世界を変えるNTTの最先端通信テクノロジー

新たな一歩を踏み出す 移動すべてに寄り添う、車いすユーザーのためのマップアプリ

SDGs新たな一歩を踏み出す移動すべてに寄り添う、車いすユーザーのためのマップアプリ

山崎悠麻選手 里見紗李奈選手
心と心が通じ合う、本当のバリアフリーな世の中に

「すべての方々に、安心・安全に会場へ赴いて、思い切り観戦を楽しんでほしい」。 そんな想いから生まれたのが、最先端通信技術を用いたバリアフリールート案内アプリ「Japan Walk Guide」です。車いすユーザーが一人でも移動できるバリアフリールートを表示するほか、道中の段差や傾斜、駅の混雑具合、さらには多機能トイレの場所に至るまでの情報を集約。NTTが日本中・世界中、全ての人々の移動を通信テクノロジーの力で支えます。

TECHNOLOGIES

ルート上の段差も駅の混雑状況も一目瞭然最適な経路と安心を通信テクノロジーが支えます

車いす移動の大きな障壁となる、段差、傾斜、階段。「Japan Walk Guide」は、それらの位置や現況を簡単に収集できるNTTの情報通信技術「MaPiece」を応用した、バリアフリールートに特化した地図アプリです。車いすユーザーの移動を、不安やストレスをなくすお手伝いをします。

ルート案内だけでなく、
駅構内のバリアフリー情報も網羅

NTTのバリアフリー情報収集技術「MaPiece」が蓄積したデータに加え、「らくらくおでかけネット」の駅構内バリアフリー情報と、乗り換え案内機能を統合。ユーザーの最寄り駅から会場まで、シームレスなバリアフリー情報を提供します。

トイレ、休憩所……
もしもの時に役立つ周辺施設情報も表示

駅と会場を結ぶ、バリアフリールートのほかに、周辺にある多機能トイレや休憩所といった施設情報も提供。「トイレに立ち寄りたい」「ちょっと寄り道したい」といった当日のイレギュラーにも対応できるので、ストレスフリーで会場へアクセスできます。

車いすの大敵である“混雑”を回避できる情報サービスも

混雑は車いすユーザーにとって大敵ともいえる存在。さらにコロナ禍で密集を避けて十分なディスタンスを確保したいというニーズも高まっています。そこで本アプリでは、人口統計情報とAIを駆使した、NTTドコモの「駅の混雑予測情報」と連携。時間ごとの駅の入場/退場者の数を予測して、見やすいグラフでスマホに表示します。

ストレスフリー社会・ ユニバーサル社会の実現にむけて

誰でもスムーズに会場に移動できるよう、競技会場周辺におけるバリアフリー状況(段差、通路幅、トイレ、エレベーター等)や、駅から会場までのバリアフリールートについて、東京都(江東区)と大分県(大分市)にてユニバーサル調査を行いました。

バリアフリーとは障壁のないこと。
「普段、何となく歩いている道でも、とても進みにくいですね。」

調査の際は、車いす利用者の方や視覚障がい者の視点からバリアフリー情報をマップに登録していきますが、いつも何気なく歩いている街中を、実際に当事者の方と行動してみないと分からないことに多々気づかされます。バリアフリーマップは、通路の段差・坂道・施設内などのエレベーターや多目的トイレの有無など、高齢者や障がい者、乳幼児を連れた方々が安心して外出できる情報をまとめたもので、NTTは誰でも安心して外出できるバリアフリーマップの作成を2016年より行っています。

レポートの続きはこちらをご覧ください。
未来への学びをはじめよう ! みんながつながるコミュニケーションとは

INTERVIEW

心と心が通じ合う、本当のバリアフリーな世の中に

山崎悠麻選手 里見紗李奈 選手

小学2年生でバドミントンを始める。高校1年生の時、交通事故で両足ひざ下の機能を失い車いすの生活になる。しばらくバドミントンから離れるが、2013年東京国体のパラバトミントンの観戦をきっかけに競技を再開。2017年9月、日本で行われた初の国際大会「ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2017」において世界ランキング上位の選手を破り、女子シングルス(車いす)で優勝。その後は国内の大会や国際大会で数々のメダルを獲得し、昨年12月の国内大会「第6回日本障がい者バドミントン選手権大会」において、女子シングルス(車いす)で6年連続の優勝。クラスはWH2。

千葉県生まれ。2016年5月、高校3年生のときに交通事故に遭い脊髄を損傷、両下肢に障がいが残る。2017年の春に父親のすすめでパラバドミントンを始める。同年8月のデビュー戦でシングルス3位、12月の日本選手権でシングルス準優勝。2018年7月のタイ国際では日本のエース山崎悠麻選手と組んだ女子ダブルスで準優勝。2019年8月の世界選手権でシングルス優勝、ダブルス3位。クラスはWH1。

パラバドミントンは、2020年から正式種目となり注目を集めています。そんなパラバドミントンの車いすクラスに出場するのが、山崎悠麻選手と里見紗李奈選手。お二人にはNTTが開発した「Japan Walk Guide」を体験していただき、スポーツ観戦・市中移動などあらゆるシーンにおいてのアプリの可能性や競技活動を通してお話を伺いました。

パラバドミントンに出会って、もうひとつの居場所ができた(里見選手)
―山崎悠麻選手は世界ランク3位(WH2クラス)、里見 紗李奈選手はシングルスの世界ランク1位(WH1クラス)。さらにダブルスにおいては世界ランク1位というトッププレイヤーのお二人ですが、改めてパラバドミントンの見どころを聞かせてください。

山崎 パラバドミントンは「車いす」と「立位」のほかに、障がいの重さによってクラスがわかれています。それぞれにプレイや戦術の違いはありますが、私たちがブレーしている車いすクラスでは、ラケット捌きだけでなく「チェアワーク」といわれるクイックな車いすの操作も勝敗をわけるポイントなのでぜひ見ていただきたいですね。もちろん通常のバドミントンのイメージで観ても、楽しんでいただけると思います。

里見 ダブルスの試合でいうと、さらに「ローテーション(プレイ状況に合わせて縦並びや横並びなど、ペアがフォーメーションを変える動き)」という要素も加わるので、そこも見どころです。私たちも攻撃と守備でそれぞれ細かいローテーションの約束事があるんですけど、詳しくは秘密です(笑)。

―おふたりは、どのようにパラバドミントンと出会ったのでしょうか。

山崎 私は2013年に国体と併せて行われた「全国障がい者スポーツ大会」で、パラバドミントンを観たのがきっかけです。「車いすでも激しく本格的なプレイができるんだ」と感心したのと、その大会に出場されていた小倉理恵選手にも「やってみない?」と声をかけていただいたんです。

―山崎選手は事故に遭われて車いすになる前、小学校時代にバドミントンで全国大会に、中学校時代は関東大会にも出場されています。パラバドミントンも「できる」という自信はありましたか?

山崎 ブランクがあったので、まずはシャトルに当てられるかなという感じでした。車いすの操作も大変で、「ここにシャトルが落ちてくる」というのは目でわかるのに、落下地点まで辿り着けないんです。座ったままの状態では打つときに力が入りづらいですし、打点が低いのでスマッシュの角度もつけられない。やればやるほど、もともとやっていたバドミントンとは別物の競技だなと感じましたね。

―一方の里見選手は中学3年間だけ部活動としてバドミントンを経験。その後、高校3年の春に事故に遭われてしまう。

里見 車いす生活になってから、外に出るのも嫌な日々が続いていました。そんなあるとき、父親が近所のパラバドミントンチームの見学に連れて行ってくれたんです。そこでパラバドミントンを通して自立している選手たちの姿を見て、「自分もこうなりたい!」って思ったんです。車いす生活にはなったけど、もうひとつの居場所ができた、という感覚もありました。その後、チームの代表で強化指定選手である村山浩選手に、「いっしょに世界大会に出よう」と言っていただいたんですが、そこで火がついたのは私よりむしろ父のほう(笑)。徐々に「趣味」から「競技」へと変わっていきましたね。

―車いすでの生活や移動についておうかがいします。以前の不自由なかった頃と比べて、ギャップに感じたことや戸惑われたことは何ですか?

山崎 一番大変だったのはトイレです。車いすで入れるトイレがあるかどうかで、行動範囲そのものが決まってしまうからです。毎日の通学も、最初は最寄駅でホームから改札まで辿り着けなかったり、改札も通常のレーンが通れなかったり。10年以上前だったこともありますが、ハードの部分における障壁が多かった印象です。ただ私の場合はそこまで辛かった記憶もなくて、「そういうものなんだ」って、自分でその状況を受け入れてしまってた気がします。

里見 私もトイレや電車移動での苦労は同じですね。でも悠麻さんと違って、私は受け入れられなかったな。高校生だったのもあって、どうしてもまわりと比べていたんです。同級生がSNSにアップした旅行の写真を見るのもキツかったですね。

観ている人に、頑張ることの楽しさを伝えたい(山崎選手)
―車いすでの移動をサポートするサービスとして、多機能トイレの場所や、歩道の幅、傾斜の角度などを随時表示しながらルート案内する「Japan Walk Guide」という障がい者向けのマップアプリがリリースされます。今回、おふたりにも試していただきましたが、いかがでしたか?

里見 すごい! って思いました。私が移動のときに気になるのは、車いすのままお店に入れるかどうか、車いす用のトイレはあるのか、急な坂や段差がなく安全に移動できるかといった点。それらがほぼ表示されて、スロープとか階段の段数までわかる。あと、駅のトイレが改札の内側にあるのか外側にあるのかというのも重要なんですが、それも表示されていました。車いすで生活している人って、トイレ基準で動いているところがあるんですよ。

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山崎 うん、わかる。あとやっぱり、既存のマップアプリだと傾斜がわかりづらくて、いざ行ってみたら到底登れない坂道があるというのは、よくあることなんです。それがわかるだけでも格段に便利。ルート上だけではなく、利用する駅構内のバリアフリー情報も一つに集約されているアプリは、これまでなかったはずです。

―本アプリリリースの背景には、車いすユーザーの方々も安心して「出かけてみよう」という一歩を踏み出すきっかけや、新しいことにチャレンジする気持ちを後押ししたいという願いがあります。車椅子をはじめ、障がいのある方にとっての「チャレンジしやすい環境作り」には、何が求められると思いますか?

里見 このアプリは、自発的に行動できるきっかけになると思います。でももし、外で想定外の状況に遭ってしまったら……そこで大切なのはやっぱり人との関わりなんです。つまり、心のバリアフリーですね。困ったときにこちらから声をかける勇気も必要だし、健常者の方々が、障がい者に対して目を背けないということも大切だし。難しいとは思うんですけど、「助けて欲しい/助けたい」というお互いの気持ちが通じ合えたときに、本当の意味で誰もが生活しやすい世の中になるんじゃないかと思います。

山崎 心のバリアフリーに関しては、母親になってからより意識するようになりました。そもそも私はほとんどのことを一人でできるんですが、最近はうちの子と同じくらいの小学生も「それ、取りましょうか?」と声をかけてくれる。自分が若い頃は恥ずかしさや申し訳なさで素直に人にお願いができなかったり、「大丈夫です」って返しちゃってたんですよ。でも今は私以外の障がい者にも同じように声かけして欲しいので、大丈夫でもあえてお願いしてやってもらったり、「今日は大丈夫だよ。また声をかけてね」とかいってみたり、次につながるようなコミュニケーションを取るようにしています。

―お手伝いをした成功体験みたいなものがあると、次につながりますよね。

山崎 子どもたちにとっても、こっちが恥ずかしがって遠慮すると、逆に彼らがお手伝いする経験を奪ってしまうことになるというのは母親になってから強く思いますね。

―高校時代に障がいを負われたお二人ですが、パラバドミントンの世界へチャレンジし、努力を積み重ね、ここまで結果を残してきました。2020年、観客や視聴者のみなさんに伝えたいメッセージはありますか?

山崎 頑張ることの大切さは伝えたいです。自分も子どものころから頑張ることに対して、ちょっぴり恥ずかしいって思うことがあるんです。でも頑張るって楽しいことだし、たとえば今大会をきっかけに、子どもたちにはこれから頑張れる何かを見つけて欲しいなって。

里見 障がい者と健常者の壁がなくなるきっかけになるといいですよね。私が健常者だった頃って、障がい者やパラスポーツへの知識がなかったんですが、日本で開催されることでより注目もされるはず。これをきっかけに障がい者への目の向け方なども変わっていけばいいなと思います。

―最後に大会へ向けた意気込みをお聞かせください。

里見 2019年11月以来ほぼ2年ぶりの大きな大会なので、すごく緊張はしています。でも合宿中もずっと本番をイメージしながら練習をしているので、自分を信じてシングルス・ダブルス両方でしっかり金メダルをとって、パラバドの初代女王になりたいと思ってます!

山崎 私も久しぶりの大舞台という緊張はありますが、日本で開催することは大きなアドバンテージ。さりちゃんとのダブルスに関しては、時間があったぶんローテーションや「ここは取れる」「取れない」といったお互いへの理解も高まっています。個々のレベルも確実に上がっているので、いいパフォーマンスをお見せしたいですね。

移動をもっと自由に楽しく

白熱の試合を現場で体感したい。自分の力で自由に会場まで行きたい。そんな車いすユーザーの想いを叶えるため、「Japan Walk Guide」にNTTの通信テクノロジーを結集させました。車いすをはじめ、移動に制約のある方々の好奇心と行動力を後押しし、全ての人々が安心して移動できる社会が実現できれば、多くの方にとっての「移動」の概念が変わっていくのではないでしょうか。

パラバドミントンとは?

2020年から正式競技となり、注目が高まっているバドミントン。座ってプレーする人の「車いす」と、上肢障がい、下肢障がい、低身長の「立位」に分かれ、障がいの程度により区分されたクラスごとで争う。車いすのカテゴリーは、半面のコートを使用するなど特別ルールが適用されます。

基本的には、パラバドミントンも健常者とルールは同じで、1ゲーム21点マッチで3ゲームを行う。カテゴリーは車いすと立位、低身長の3つ。さらに障がいの程度によってクラスは6つに分けられます。

山崎選手は、車いすを使用する下肢障がいのうち程度が軽いWH2クラス。クラスに応じて、コートを半面にしたり、エリアを限定したりして競技を行いますが、厳しいコースをついたり、前後に揺さぶったりという戦略的な攻撃も見どころのひとつ。また、車いすの場合はさらに、ジャンピングスマッシュのような攻撃的なショットが少ない分、チェアワークや精密ショットの技術の高さや、緊迫感のあるラリーや相手との駆け引きなど目が離せない展開がみどころです。

パラバドミントンのカテゴリーとルールについて詳しくチェック
競技紹介:バドミントン