2020HEROES

世界をめざせ!NTTアスリート

Our Athlete

ライバルも成長しているけど、
私たちもまだまだ成長していく

画像:インタビューを受けるパラバドミントン山崎 悠麻選手と里見紗李奈選手

山崎 悠麻&里見紗李奈

パラバドミントン

WH2クラスで現在世界ランク3位(2019年6月現在)の山崎悠麻選手と、競技経験わずか2年でありながら国際大会で優勝を飾るなど成長著しい里見紗李奈選手。
2019年4月に開催された車いすバドミントン・ドバイ国際大会(2nd Fazza- Dubai Para-Badminton International 2019)のWH1-2女子ダブルスにおいて強豪中国チームを決勝で下し、見事優勝という快挙を果たし、2020年の活躍に向け期待の高まるお二人にお話を伺いました。世界ランク3位の女王と才能溢れる若手選手のペアはコートだけでなく、プライベートでもとても仲良し。笑顔の絶えないインタビューとなりました。

車いすを動かす競技の難しさに、逆に魅力を感じた(里見)

お二人はもともとバドミントンの経験者だったとのことですが、車いすバドミントンをプレーするようになって大きな違いは感じられましたか?
里見:まず、今まで足で取りに行っていたのを、全部手を使って取りに行くのが大きな違いです。
山崎:そうですね。競技中にシャトルが落ちてくる所は分かるんですが、そこにたどりつけないこと。車いすに乗っていても、相手の動きを見てどこに飛んでくるか、どこに打ってくるかがわかっても、なかなかそこにたどりつく手段が「足りない」んです。もうあとひと漕ぎ必要だったのに、そのひと漕ぎがないから届かないっていうところ。これが1番難しいところです。あとは車いすに座るから目線が下がるので、最初のうちはラケットを振るタイミングがまちまちになってしまって、シャトルに当たらないんです。
画像:笑顔でインタビューを受ける里見選手
里見さんは車いすバドミントン自体を始めてまだキャリアが浅いんですよね。
里見:今年の5月でちょうど2年になりました。
初出場の国際大会でダブルス準優勝、2018年の日本国際ではシングルス・ダブルスで優勝しました。
里見:もともとバドミントンをやっていた時はそんなにいい成績ではありませんでした。車いすバドミントンをはじめて、車いすを動かす難しさに、逆に魅力を感じて、やってみようと思ったんです。その「難しいこと」が楽しかったんです。
年齢的にもまだお若い(21歳)し、これからどれだけ強くなっていくんだろうって楽しみですね。
山崎:ねー!楽しみだね!(笑)
里見:どうなんでしょうね。(笑)

二人で円を描くようなカバーリングがうまく機能した

お二人がダブルスで組まれてちょうど1年。今年のドバイの大会では強豪である中国チームを破って見事優勝されました。この強さの秘密は何だと思われますか?
山崎:車いすバドミントンのダブルスはサイドバイサイドっていって、2人とも両側にいて、1人が半面守る。もう1人が半面守るという戦い方なんです。そうするとやっぱり大前提としてひとりひとりの力が強いことが必要です。私と紗李奈ちゃんはお互いある程度の力があったので、「そこにカバーに入ろう」だとか、お互いコミュニケーションもするようになっていきました。
私はもともとダブルスでバドミントンをしていたので、車いすでもローテーションの動きを入れたいと思って、紗李奈ちゃんと組んでから、コーチと一緒に合わせながら練習してきました。それが今回のドバイでの試合で少しずつ成果が上がり、結果として優勝できたのかなと思います。
画像:笑顔でインタビューを受ける山崎選手
具体的にどういう動きですか?
山崎:たとえば、紗李奈ちゃんが前に突っ込んで取りに行った時に、そこから戻るよりそのまま回転しちゃった方が車いすとしては早いんです。前に行った時に下がる動作ではなくて、回転の動きを活用して横にずれてもらって、代わりに私が後ろを取るっていう動きをしています。
まるでダンスのように円を描くような?
山崎:円を描くようなカバーリングをしています。これもタイミングですね。最初は本当にタイミングがなかなか合わなくて。ドバイの大会ではそれがうまく機能していたと思います。
画像:二人並んでお話をする山崎選手と里見選手

初めてできた後輩なので、すごい可愛らしくって。可愛い可愛いってしちゃう(笑)(山崎)

お互いプレイヤーとしてはもちろんなのですが、プレー以外で好きなところは?
里見:好きなところ…優しいところかな。なんか楽しいです。普通にしてても。結構一緒に過ごしてるし、メールも私からたくさんしちゃいます。悠麻さん、悠麻さんって(笑)。
山崎:これどうだっけ?みたいな話とかね。
里見:結構大変なことも、悠麻さんがいてくれるから聞けるとか、すごくありがたいと思っています。頼りにしています。
本当にお姉さんみたいな感じなんですね。
里見:お姉さん。間違いないです。
山崎:ありがとうございます(笑)。
里見:悠麻さんがいない時も、コーチに「悠麻さんはこうやって打ってるんだけど、どうやって打つんだろう」とか「悠麻さんみたいになりたい」って言いながら練習しています。すごいお手本になる存在だって思います。
山崎:いやいやいや(笑)。でもこのWH1-2のダブルスって、相手から狙われるのがWH1なんですよ。だから紗李奈ちゃんがすごく狙われるところを、私がいかにカバーしていくかがポイントです。本当に紗李奈ちゃんが頑張れないと私たちは勝ててないんですね。そういうところでは彼女の負けず嫌いなところも本当にすごいし、頑張り屋なところもすごい。私もたくさん刺激をもらっています。
画像:ラケットを持ち楽しそうにお話しする山崎選手
理想的なペアじゃないですか。
山崎:私も、初めてできた後輩なので、すごい可愛らしくって。可愛い可愛いってしちゃう(笑)。
お二人ともネイルが素敵ですね。
山崎:こういう話をできるのも楽しいですね。次、どんなネイルにしようかって言いながら。大会ごとにテーマを決めたりしています。観戦するときも注目してみてください。
画像:ラケットを持ち楽しそうにお話しする里美選手
練習やトレーニングはどれくらいされているんですか?
山崎:平日の4日間です。バドミントンが週2日、トレーニングが週3日。それで、ケアが週2日みたいな感じですね。午前中トレーニングで午後はケアを行っている時もあれば、1日バドミントンしているときもあって。組み合わせながら動いているような感じですね。土日は子どもがいるので、あまり練習には参加できないんです。
山崎選手は家事と育児もしているんですよね。
山崎:そうですね、朝は主人が送ってくれるので、トレーニングから帰ってきて、子どもを迎えて、ごはんを作ってみたいな感じですね。今は2020年に向けて、土日に主人の両親に来てもらって練習に行ったりっていうのをちょっと始めたっていうくらいですね。
なかなかリラックスできる時間はないんじゃないですか?
山崎:ただ夜は主人が寝かしつけとかはやってくれたりするので、そこからは自分の時間です。本読んだり、テレビ見たり、タブレットで遊んでいたり(笑)。
里見さんの1週間はどうなんですか?
里見:私は練習をいっぱいするタイプなので、週4日練習に行って、トレーニングは週1、2日ほどです。土日は基本的に買い物に行くのが好きなので、化粧品を見たりしています。
最後に、2020年に向けて、おふたりの意気込み、目標を聞かせてください。
里見:そうですね。ダブルスで勝つことができると、シングルスの出場権ももらえるので、どっちもがんばります。
山崎:今年は2020年に向けて、まずダブルスで勝って、そのあとシングルスでも勝てるようにという目標になります。
ライバルたちもどんどん成長しています。ドバイで勝てたのはそのときがたまたま私たちのタイミングだったからだと思います。必ず彼女たちも研究してくるだろうし、弱点も見つけてくるでしょう。だから、私たちも成長しなければならないし、まだまだ成長しますから。
すごく期待しちゃいます!
里見:頑張ります!(笑)
山崎:頑張ろうね!(笑)
画像:意気込みを語る山崎選手と里見選手

本当の姉妹のように仲むつまじく、ともに戦い、ともに過ごすことに喜びを感じているという山崎選手と里見選手。多幸感あふれるインタビューとなりました。さらに、年齢差は10歳ながら誕生日が1日違いという偶然も、この二人の出会いや2020年の活躍のために導かれたものかもしれません。
アスリートとしてもさらに成長し、進化しつづけるお二人に大きな声援を送りつづけたいと思います。

画像:山崎悠麻選手プロフィール写真
山崎 悠麻 パラバドミントン
(WH2クラス)
1988年生まれ。クラスはWH2。
高校1年生の時に交通事故に遭う。東京国体でパラバドミントンを見たことで一念発起。男児2人の母をしながら、パラリンピックをめざす。
画像:里見紗李奈選手プロフィール写真
里見紗李奈 パラバドミントン
(WH1クラス)
1998年生まれ。クラスはWH1。
交通事故に遭い、リハビリの一環としてパラバドミントンを体験。2017年5月から本格的に始め、国内外の大会で好成績を残す。

WH2クラス

車いすクラス2。片方または両方の下肢に機能障がい。体幹には機能障がいなし、もしくは軽微。

WH1クラス

車いすクラス1。両方の下肢と体幹に機能障がい。

(世界バドミントン連盟 クラス分け規定より)